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ゲストのコラム
「いい農場の秘密こっそり教えます!3〜@整理整頓の意味。1〜 (山本浩通)」

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2007年3月6日

 まず、「仕組み」の中の「整理整頓」について考えてみましょう。
日本電産の永守重信社長は、NHKの日曜日朝の経済羅針盤で紹介されました。
赤字のつぶれかかった電気会社を買収して、1〜2年で黒字にする人です。
すでに、20数社を立て直しているそうです。永守重信著 「人を動かす人になれ」 があります。その永守社長が書いた本で、参考になる部分がたくさんありました。
参考になる部分を農場に置き換えて、考えて見ましょう。

「不良品が出る理由はいろいろとあるが、行く付くところは 6S つまり、整理、整頓、清掃、清潔、しつけ、作法の不徹底が原因で起こっている。」

農場では不良牛が出る理由は、いろいろあるが、つまるところ6Sの不徹底だということです。病気の牛や、見た目には病気でなくても、健康ではない牛が出るのは、作業の質が悪かったり、作業手順の不徹底、不正確、不衛生、生産成績の記録不備。これらは、6Sに直結します。

「汚れたからきれいにする。つまり、不良品がでたら直せばいいという気持ちから最初から汚さないようにする。すなわち、お互いに注意して不良品を出さないように気をつける。
こうした風土をつくっていかなければ、いつまでたっても不良品は減らないし、なくなりもしない。」

不良品=不良牛です。
不良牛とは、肥り過ぎの牛、やせすぎの牛。足が腫れた牛。蹄が長い牛。毛づやが悪い牛。乳房炎の牛。乳質の悪い乳、かつて乳房炎で、3本乳、2本乳の牛。発情がきても種が付かない牛。半年以上種がついていない牛。お産後調子が悪く、食欲が出なく、乳が出ない牛。

「不良品は不良社員がつくる」 = 「不良牛は、不良農場者がつくる」

「不良牛が出たら直せばいいという気持ちから、最初から不良牛を出さないように気をつける」
不良牛を出さないようにするためには、何に気をつけるか。エサの質、環境つまり空気、水、温度、寝床の安楽性、他には病気の予防、乾物摂取量をふやす、毎日の安定した作業手順、変化が起きる前の予測、これらの技術情報は、過去にいろんな情報誌や文献などで繰り返し言われています。
(つづく)

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