2026年7月28日 *********************************************************** いまさらですが、全国の家畜市場に上場される子牛が、目に見えて減っています。令和5年度には36万7,112頭だった上場頭数が、令和7年度には33万8,353頭まで減少しました。わずか2年間で2万8,759頭、率にして7.8%の減少です。結構減りましたね~~。 この背景として最も注目すべきなのが、子牛を産む繁殖雌牛、いわゆる「母牛」の減少です。農林水産省の畜産統計によると、令和5年に64万5,200頭だった繁殖雌牛は、令和7年には61万1,400頭となりました。2年間で3万3,800頭、5.2%減っています。特に令和7年は一気に29000頭母牛が減っています。29000頭いなくなるのは結構なボリュームですよ。 母牛1頭が毎年必ず1頭の子牛を市場へ送り出せるわけではありません。分娩間隔、未受胎、流産・死産、子牛事故、後継雌牛としての自家保留、自家肥育などがあるためです。 母牛が減ったからといって、その翌月から市場の子牛が同じ割合で減るわけではありません。牛の妊娠期間は約285日で、生まれた子牛が家畜市場へ出るまでには一般に8~10か月ほどかかります。つまり、令和7年2月時点で確認された大幅な母牛減少の影響は、令和7年度だけで終わりません。令和8年度、場合によっては令和9年度の子牛上場頭数にも尾を引きます。実際に令和8年度4~6月の上場頭数は8万3,533頭で、前年同期より4,645頭、5.3%減少しています。3か月すべてで前年割れしており、一時的な出荷時期のずれとは考えにくい状況です さらに令和4年から令和7年までの3年間で、肉用牛飼養戸数は4万400戸から3万4,000戸へ、6,400戸、15.8%も減りました。母牛頭数の減少率より、農家戸数の減少率の方がはるかに大きいのです。これまでは、残った農家さんの規模拡大によって全体の母牛頭数を支えてきました。しかし令和6年以降は、小規模・家族経営の離農を規模拡大だけでは埋められなくなったと考えられます。地域の和牛改良、家畜市場、獣医療、飼料供給などを支える基盤も同時に細くなります。 供給頭数だけを見れば、子牛価格には上昇圧力がかかります。しかし、子牛が減れば一律に高くなるとは限りません。枝肉価格、飼料費、肥育農家さんの資金力によって購買力が弱ければ、供給が減っても価格は上がりにくいからです。枝肉価格は昨年と比べてこの時期にしては高い傾向が続いていますが、肥育農家さんの経営が非常に厳しくなっていることは手に取るようにわかります。当然、子牛価格が天井を打った感じになっているのもよくわかります。 4~6月の前年同期比▲5.3%が年間を通して続くと仮定すると、令和8年度の上場頭数は約32万500頭。令和5年度のピークから約4万6,600頭、12.7%減る計算です。今回の数字から見えるのは、単なる市場頭数の減少ではありません。繁殖農家さんの離農と母牛淘汰によって、和牛子牛を生産する力そのものが失われつつあるという現実です。一度手放された母牛、一度閉じられた牛舎、一度途切れた技術を、再び元に戻すことは簡単ではありません。母牛を1頭残すこと、分娩間隔を短縮すること、子牛事故を1頭防ぐこと、若い担い手が経営を続けられる環境をつくること。その一つ一つが、将来の子牛供給を守ることにつながります。母牛がいなくなれば、やがて子牛もいなくなります。今、市場に並ぶ子牛の頭数は、1年以上前の繁殖現場の姿です。そして現在の母牛頭数は、1年後、2年後の家畜市場の姿を映しています。 令和4年から5年にかけてはお上の増頭対策のおかげで母牛頭数は順調に増えていました。しかし、現在は和牛子牛の出荷頭数が減り、取引価格が高騰しています。ただし今年の3月には農林水産大臣が「現時点で増頭を奨励する環境にない」と繁殖雌牛の増頭を促す政策の再開には慎重な考えを示しています。 まあ、簡単に言えば、以下のようになります。 不作為の作為による生産調整!!! 出た、必殺技!!! 以上になります。 |
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