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橋本匠護のコラム
令和の肝蛭事情

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2026年4月10日

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先日、「食欲がイマイチだ」との連絡をうけ、とある母牛を診察しました。牛は少々痩せており、下痢や貧血などの症状がありました。血液検査では肝数値が上昇。

また今回は農家さんから「給与している稲わらが気になるんだよね・・。肝蛭(かんてつ)かも。」とのコメントがあり、治療と同時に肝蛭の虫卵検査も行うことに。

確かに症状的にもありえる・・などと思いつつ検査をしましたが、今回は虫卵の検出はなし。ひとまず良かったです。

肝蛭は肝臓に寄生するヒル(蛭)のような形の、なかなかの見た目をした寄生虫です。寄生すると貧血や下痢などの症状をもたらし、重度の寄生では牛が死亡することもあります。

この肝蛭ですが、と畜場の検査情報では数十年前に比べて検出頭数が減少しているものの、現在でも一部で寄生が確認され続けています。実際に食肉検査所や家畜保健衛生所の先生と話をしていても、肝蛭トークをすることはちょこちょこあります。

近年は肝蛭駆虫薬の国内での販売中止などもあり、「過去の病気」として捉えられることもありますが、必ずしもそうとは言い切れないのが現状です。

特に注意が必要なのは、「ヒメモノアラガイが生息するような湿潤環境での放牧」や「適切な処理がなされていない稲わらの給与」といった条件です。こういった条件下では、肝蛭感染のリスクはあがります。

もしこうした条件に加えて、貧血や下痢、痩せてきたといった症状を示す牛がみられた場合には、肝蛭の虫卵検査を検討してみてもよいかもしれません。

以前からすると減少傾向にあるが、いなくなったわけではないーー

肝蛭は、そんな寄生虫の一つです。

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