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橋本匠護のコラム
非接触温度計で牛の体表温度を測定

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2026年4月3日

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牛の健康状態を把握する際、多くの方がまず思い浮かべるのは直腸温度の測定ではないでしょうか。実際に、熱発や低体温の評価において直腸温は非常な重要な指標です。

一方で、体表温度についてはどうでしょうか。手のひらの感覚で「体が熱い」「足が冷たい」というように感じることはあっても、実際に温度を測定することはそれほど多くないと思います。

しかし牛の健康状態を把握するうえで、体表温度は非常に有用な情報を与えてくれます。

例えば関節炎や乳房炎のように局所的な炎症が起こっている場合、その部位では血流が増加するため体表温度が上昇することがあります。逆に脱水などにより末梢の血流が低下すると、体表温度が全体的に低下することがあります。

体表温度は触って判断することも可能ですが、機器を用いて温度を測定するとさらに分かりやすくなります。代表的なものに赤外線サーモグラフィーが挙げられます。これを用いて乳房炎や呼吸器病の早期発見につなげようとする研究も進められています。視覚的に温度を把握できるため非常に便利です。

私はサーモグラフィーの代わりに、簡易的な方法として赤外線を用いた非接触温度計を用いて体表温度を測定することがあります。関節炎などで熱感を伴う場合は、反対側の健常な関節と比較して体表温度が高いことがあり、診断の一助となります。


健常:左後肢球節


関節炎:右後肢球節、2℃くらい体表温度が高い

注意点としては、体表温度は外気温の影響を少なからず受けると考えられるため、足などであれば反対側と比較するなど相対的に評価することが大事です。

ちなみに、表面温度の測定は牛の体だけに限りません。例えば牛舎の屋根などを測定することで、暑熱や寒冷対策の効果判定などにも使えます。環境評価の視点からも、温度の「見える化」は大きな意味を持ちます!

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