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橋本匠護のコラム
粗濃比・NR比の見直しで飼料効率を最大化する

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2026年4月17日

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最近、興味深いニュースを見つけました。
三重大学の研究グループが、「近赤外線を用いて黒毛和種の糞便中に残ったデンプン濃度を迅速に測定し、消化効率を予測する方法を開発した」というもの。

牛のエサにおいてデンプンはトウモロコシや大麦などの穀類に多く含まれており、特に肥育飼料などにはかなりの割合を占めています。牛に給与されたデンプンは、本来であればルーメン内で発酵され、最終的にエネルギーとして吸収されます。しかし、消化・吸収しきれなかったデンプンの一部は、ルーメンを通過して糞便中に排出されます。

つまり、糞便中のデンプンが少ない状態というのは、「しっかり消化吸収できている=飼料効率の良い管理」と言い換えることもできます。

実際の現場でも、「もう少し飼料効率を上げられそう」と感じるケースは少なくありません。その代表例が、デンプン過剰やタンパク過剰の状態です。

デンプン、すなわち非繊維炭水化物が過剰になると、ルーメン内での発酵速度が過度に速くなり、いわゆるルーメンアシドーシスのような状態を引き起こします。その結果、デンプンは十分に利用されないまま排出されるだけでなく、難治性の下痢などを引き起こし、牛自身の消耗にもつながります。

こうした場合、粗飼料と濃厚飼料の比率(粗濃比)を見直し、粗飼料に多く含まれる繊維系炭水化物とのバランスを整えることで、飼料効率の改善が期待できます。結果として、下痢の減少や増体の改善といった効果にもつながっていきます。

また、「牛を大きくしたい」という意図からタンパク質が過剰になっているケースも見受けられます。しかし、タンパクは多ければ良いというものではありません。重要なのはエネルギーとのバランス、いわゆるNR比です。

特にルーメン分解性タンパクが非繊維炭水化物に対して過剰になると、ルーメン内で発生するアンモニアが十分に菌体タンパクへと合成されません。その結果、利用されないまま体外へ排出されるだけでなく、アンモニアの解毒のために肝臓へ負担がかかります。

さらに、もともと不足気味だったエネルギーが解毒に回されることで、よりエネルギー不足が進む――そんな負のループに陥る可能性もあります。

牛の糞には飼養管理のヒントが詰まっています。実際に糞洗いや糞便pH測定などは、牛の状態をチェックするうえで非常に重要な情報を与えてくれます。

今回のような近赤外線による糞便中デンプン測定が現場レベルで活用できるようになれば、より客観的かつ迅速に飼料効率を評価できる時代が来るかもしれません。

個人的にも、ぜひ一度試してみたい技術のひとつです。

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