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戸田克樹のコラム
第522話「病気を減らすためにできること⑯」

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2026年1月22日

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尿でわかる!マイコトキシン検査はじめました
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 それではまず、粗飼料の役割の一つ目である物理的な刺激について考えてみましょう。でんぷん質主体のスターターとは異なり、粗飼料の主体はもちろん繊維!そこに大きなポイントがあります。

 ルーメンの中に入った粗飼料は、原虫やバクテリアによって少しずつ分解されていきます。その分解速度は非常にゆっくりで、ルーメンの蠕動運動によって撹拌されながらお腹の中を漂います。ある程度硬さがありますから、このお腹の中を漂う間、胃の粘膜を内側から刺激し続けてくれるのです。そして、その刺激によってさらに蠕動運動が起こります。活発な蠕動運動は発酵効率を上げ、さらに食欲を増進させます。つまり、「よく食べてよく育つ牛」への第一歩となるのです。

 次に、ブラッシング効果とは何かを考えてみましょう。スターターはルーメン内で水分を吸収しながら徐々にふやけていき、ボロボロと崩れていきます。これがルーメンの粘膜(絨毛の隙間)にベチャっと貼り付いてしまうことがあります。こうなると、絨毛に蓋がされてしまっているので、せっかく作った脂肪酸類の吸収力が落ちてしまいます(掃除機に蓋をしたら吸引力がいくら強くてもゴミを吸いこめないのと同じです)。そこで活躍してくれるのが粗飼料なのです。箒で掃くような感じで、絨毛の表面にひっついたスターターをササっと取り除いてくれる効果も期待できます。

 スターターにはない「ほどよい硬さ」こそが粗飼料の特徴であり、哺乳期にも必要とされる理由の一つとなっているのですね。では、次回は粗飼料のもつアシドーシス予防効果や「噛みたい欲求」を満たす効果について考えていきましょう。

 つづく

 
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伸びの有無で健康チェック

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