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松本大策のコラム
分娩前後の飼養管理の問題

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2014年2月24日

 今回は分娩前後の栄養管理で気をつけなけばならない点を、いくつか一緒に考えて見ましょう。
 まず、分娩前後によく見られる低栄養、つまりカロリー不足からいきましょうか。
分娩すると、繁殖母牛は次の受胎に向けて働かなくてはなりません(なんか一仕事終えても、すぐに次に取り掛からなければならない僕たちと同じで、大変ですね)。
分娩前から、次の繁殖活動に向けて卵巣や子宮の回復とか、卵胞の成熟とかのエネルギーが必要なのです。
 しかし、分娩前2ヶ月といえば、お腹の中の赤ちゃんがグッと大きくなる時期ですし、分娩後は母乳を作るためにたくさんのエネルギーが必要になります。ここで、きちんとした増し飼いをしておかなければ、当然お母さん牛はカロリー不足に陥るわけです。

 そうなると、ざっと考えても五つくらいは繁殖にとって不利なことが起こります。

 まず、卵のお話からしましょう。お母さん牛の卵は、実はお母さん牛がまだそのまたお母さん牛のお腹の中にいた頃に作られています。もちろん完成品じゃなくて、「原始卵胞」といって卵の素なのですけどね。
この原始卵胞が一つずつ成熟して行って発情の時に排卵されるわけです。そこで、ここが問題なのですが、原始卵胞が成熟卵胞に発育するのには、おおよそ80日くらいかかるんです。

 ここで、発育初期が一番エネルギー不足に弱くて、成熟卵胞が不良品になってしまうのです。ですから、逆算すると分娩後30日で良い卵を作ってもらおうとすると、分娩前少なくとも50日以降は、お母さん牛が低栄養にならないように気をつけてあげなくてはならないのですね。

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