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蓮沼浩のコラム
「第76話 「高体温の分類」」

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2008年3月13日

 水銀体温計の中の説明書には発熱の分類が詳しく書いてあります。これには稽留熱、弛張熱、間欠熱、回帰熱、異型熱など書いてあるのですが、これは主に人の発熱のパターンであって牛さんの熱を計測するときには小生はほとんど気にしていません。それよりもこの熱は何が問題で発生しているのかを考えることのほうに意識を集中しています。ひどい肺炎からの発熱なのか、関節炎が問題なのか、肝炎なのかなどなど。そしてこれらの牛さんの体内の問題からの発熱を「内因性の高体温」といいます。これとは別に気温が高くて牛さんの体温が上昇してしまう熱射病のようなものを「外因性の高体温」といいます。鹿児島のような暑い場所では夏場に肥育後期の牛さんの呼吸が非常に荒くなり口からアブクを出すことがあります。よく「熱射病がでた!」といわれる方がいますが何頭もと場に見に行きましたがほとんどの場合、肺に肺炎や肺水腫のような病変をもっています。そのような病気を持った牛さんが夏の暑さでやられてしまうのでしょうね。とにかく夏場に大きな肥育牛が口からアブクを出して呼吸が荒くなっている場合は命にかかわるので要注意です。
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