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蓮沼浩のコラム
「第75話 「肥育牛の高温について」」

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2008年3月6日

 肥育牛の体温を測るときに一番ポイントとなることは熱があるかないかです。教科書的には発熱の分類を39.0℃〜40.0℃を「微熱」、40.1℃〜41.0℃を「中熱」、41.1℃〜42.0℃を「高熱」、42.1℃以上を「過高熱」と分類しています。しかし小生は黒毛和牛の肥育牛の体温を今まで何回も何回も「技」を駆使して測ってきました。そしてその体温のときの臨床症状などを毎回つぶさに観察しているとどうしても教科書で書かれている体温と呼び方がしっくりこないのです。もちろん個体差もありますし、中には40.0℃を超えていても元気バリバリの“へっちゃら野郎”もいますが、肥育牛で40.0℃を超えていたらどうしても「高熱」という表現のほうがしっくりくるような気がしてなりません。39.8℃でぐったりしていて「微熱」という表現はちょっと・・・・。そこで一応小生といたしましては超個人的独断と偏見で38℃台を「平熱」、39.1℃〜39.5℃を「微熱」、39.5℃〜40.0℃を「中熱」、40.1℃〜41.0℃を「高熱」、41.1℃以上を「過高熱」と教科書よりも幾分厳しく勝手に判断しています。そしてこのちょっと細かく分けた39℃台の「微熱」と「中熱」を治療中にどう評価するのか。ここをそれぞれの獣医さんがどのように解釈していくのか。小生は結構重要なポイントと思っているのですが巷ではあまり重要視されていない気がします。それはまったく重要ではないからであるという可能性も大いにありますが。
 余談ですが個人的感想としては「中熱」がだらだら続き、なかなか元気が出てこない牛さんが結構治療も長引きあまり好きではありませ〜ん。
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