(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
池田哲平のコラム
牛の解剖93:腎臓(1)

コラム一覧に戻る

2012年3月23日

 泌尿器のスタートは腎臓です。腎臓は皆さんご存知の通りおしっこを作る臓器です。腎臓は血液から体の中の老廃物を濾過して取り出し、動物はこの老廃物をおしっことして排泄します。

 つまり、腎臓には絶えず血液がたくさん流れているのです。どれくらいたくさん流れているかと言うと、心臓(大動脈)から出される血液の約20%が腎臓に流れています。これは脳に流れる比率(約15%)よりも多いんです。単独の臓器としては、肺に続いて2番目にたくさん血液が流れている臓器になります。量で言うと、大型犬で一日に1,000~2,000L、ヒトではこの倍ほどにもなる量の血液が腎臓に流れています。牛さんの数値を見つけられなかったのですが、当然これよりも多い量ですよね。ドラム缶が何本必要になるんだというくらいの量の血液が、腎臓には毎日流れ込んでいるんです。想像するとものすごいですよね!?腎臓は非常に働きものです。

 これだけの量の血液が毎日腎臓に流れ込み、濾過されたきれいな血液はまた全身に回り、濾過のフィルターに引っかかった老廃物はおしっことして体の外に出されるわけです。

|