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池田哲平のコラム
牛の解剖92:泌尿器

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2012年3月16日

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 今回から、体の中でおしっこ(尿)が作られて体の外に出ていく経路である「泌尿器(ひにょうき)」を見ていきたいと思います。簡単に言ってしまえば、おしっこは腎臓でつくられて、その後、尿管→膀胱→尿道という順番で体の外に出ていくのですが、そのメカニズムは結構複雑です。特に、尿を作る臓器である腎臓は、その一つの臓器の中に宇宙があると言われるほど、色んな事がまだまだ研究されている臓器です。
 
 そして、もし腎臓が病気になってしまったら、おしっこが作られなくなる可能性があります。おしっこは体の中の老廃物を体の外に出すためのものなので、おしっこが作られないと体の中に老廃物が溜まってしまって、場合によっては命に関わります。また、腎臓でおしっこが作られたとしても、その後おしっこを出す経路である尿管、膀胱、尿道に異常があっておしっこが出なくなってしまっても大変です。皆さんが良く知っている病気の一つである“尿石症”がいい例ですね。

 今回からのコラムでは、泌尿器の構造や病気の事など、私が疑問に感じている事も挙げながら見ていきたいと思います。

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