(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
伏見康生のコラム
「NO.142 「熱中症 その一」」

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2011年6月29日

 昨日、気象庁から南九州の梅雨明けが発表されました。
 …どおりで昨日の直射日光は突き刺すように厳しく、その暑さに耐えきれなかった僕は水分を取りすぎてしまったわけで…、インバーターの故障した牛舎のあちこちで肥育牛さんたちがハアハア言ってたわけで…

 そういうわけで、熱射病が怖い季節がやってきました。一年を通して私はこの季節が一番神経を使うような気がします。
「先生!ウシが口を開けてはあはあ呼吸が苦しそうです!!」
「肩で息するウシがおっど!」
「ヤバそうなウシがおるで、はよ来てくれ!」
 緊急を告げる電話はこの時期が一番多いです。肥育牛の運命と言うべきか、肥えるほどに体積に対する表面積の割合が小さくなって、放熱効率のわる〜い罪深い体型…もとい放熱効率は悪いが農家さん思いの趣深い体型になってしまいますので、どうしても熱中症のリスクは高まります。
 扇風機や日除けのカンレイシャ、細霧冷房、スプリンクラーなど、予防処置はどこの農家さんもたくさんされていますが、出るときは出てしまいます。
 治療は、風通しの良い日陰で扇風機をガンガン当てる、水をかける、冷水をたっぷりのませる、循環血液量を増やす、強肝剤やビタミンを足す、アーンド…見守る。(もちろん即出荷のパターンもあります)
 小心者の私は治療が終わっても、治らないんじゃないかと妙に心配になってしまいます。事実、肥育が進んでA欠や肝炎、肺炎などであちこちがくたびれている子は全然治りません。

得意の本題なしのまま・・・つづく

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