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松本大策のコラム
「パピローマの重症例と治療法 その1」

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2006年11月8日


 パピローマというのは良性の腫瘍をつくる皮膚病の一種で、鹿児島では「あまぢち」と呼ばれています。パポバウイルスというウイルスの一種の感染が原因で発症します。
 一個から数個できただけの牛さんなら放っておいてもいいし、縛切といって、根本をゴムなどで縛っておくと枯れて落ちてくれます。
 しかし重症例になると写真のようにびっしりと、しかも大きな塊になってイボができるので、根本をゴムでくくるというわけにもいきません。液体窒素で焼く方法などもあるのですが、液体窒素の入手や取り扱いの危険性などでなかなか普及しません。獣医さんでしたら最終手段として外科的切除もできますが、問題がないわけではありません。それは、発症の原因がウイルス感染なので、牛さんの免疫(パポバウイルスへの抵抗力)がついていないと、何度でも再発することがあるのです。そういうやっかいな牛さんには「自家ワクチン」という方法があります。その牛さんのイボから簡単に作れるし効果も高いのでおすすめです。(つづく)
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