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症状各論7 斜頚 さあ、いよいよ最後の症状、斜頸です。中耳炎が進行してくると中には耳が垂れている側(中耳炎が起こっている側)と同側に頭が傾いてくるこがいます。この症状を斜頸と言います。中耳のさらに奥、内耳には平衡感覚を司る器官(前庭器官、半器官、蝸牛)が存在しているのですが、この器官が正常な働きが出来なくなると斜頸が起こります。その原因としては「顔面神経と平行して側頭骨の内耳道へと入り込む内耳神経が障害されて斜頸が起こる(=中耳炎によって斜頸が起こる)」とする説と、「炎症が内耳に波及して斜頸が起こる(=内耳炎によって斜頸が起こる)」とする説があり、正直どちらが正しいと断定することはできません。もしかしたら両方とも正しいのかもしれません。ただ、私のこれまでの治療の経験や書籍等から得た情報からの印象では、症状が耳介下垂→顔面神経麻痺→斜頸と進行性であること、斜頸を示した場合に障害を後遺する可能性が高いことから、後者の、「内耳炎に至って斜頸が起こる」方が有力ではないかと考えています。
次回から「治療」についてです
※第22回の顔面神経麻痺の写真を差し換えました。
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