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伏見康生のコラム
「NO.24: 「中耳炎とその治療(11)」」

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2009年1月24日

治療1 外耳炎 其の一
 さて、やっとのことで治療のお話しに入ります(汗)。外耳炎と中耳炎は症状、治療ともに共通するところは多のですが、必ずその両者を鑑別して治療しなくてはいけません。そこで、まず外耳炎の治療から説明させていただきます。

 第19回のコラムで紹介したように、写真のような耳の汚れを見つけたら、外耳炎だけを起こしている場合と中耳炎を併発している場合の両方の可能性が考えられます。同じ回に書いていますが、この時点で中耳炎も併発していれば、顔面神経麻痺や重度の不整発熱が同時に見られていることが多いです。ただし「顔面神経麻痺も、重度な発熱もない・・・これは100%外耳炎じゃぁああ!!」というように中耳炎の可能性を完全に否定できるわけではありません。耳の汚れを発見した場合、外耳炎の治療をすることにより中耳炎の予防にもなり、また万が一中耳炎であった場合にもすばやく気がつきすぐに治療してあげられます。よって、「耳の汚れを発見→すぐ外耳炎の治療」をお勧めします。

外耳炎治療の流れ
(1) 耳毛切り、清拭
(2) 耳道薬注・洗浄
(3) 抗生物質、消炎剤の注射

耳道薬注と耳毛切りなどの詳しい方法は次回。

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