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蓮沼浩のコラム
第511話:家畜診療実態調査

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2018年3月15日

 先日夜遅くまでスタッフ全員が診療やら検査で残っている時に、松本院長が焼き鳥と団子の差し入れをしてくれました。このような時に食べるものは、普段と違い妙においしいですね。

 昨年、小生は平成29年度に実施された農林水産省管轄の「病傷給付適正化のための家畜診療実態調査」の協力依頼があり、色々とデータや意見を提出いたしました。この調査は結構データをまとめるのが大変で苦労したのですが、意見に関してはそこまでなかったのであまり書かずに提出いたしました。

 すると、年も明けて新年度も近くもうこのような調査があったことをすっかり忘れていたところに、今回の調査結果をまとめた冊子が診療所に届きました。「嗚呼、そういえばそのような調査があったな~~~」などと呑気に構えて何気なくその冊子を読んでみて思わずびっくり。そこには、全国の産業動物臨床獣医師の切実なる訴えがたくさん書かれていたのです。

 何というか・・・悲哀、憤り、あきらめ、落胆、懇願などの気持ちが色々なところの行間から滲み出ているのです。どっひゃ~~~~!という感じです。

 「極めて残念です」
 「明らかに整合性が取れていない」
 「具の骨頂です」
 「追加していただきたいです」
 「不当な差別的待遇」
 「憤りを覚えます」
 「疑問である」
 「意欲を失う」
 「やめていただきたい」
 「改善の気配はありませんでした」
 「やってられるかという気持ちで、数年以内には辞めるであろう」
 「企業努力の意味がない」
 「産業動物獣医師は全く魅力のない職業となっている」
 「公正な決定を切に望みます」

このような文言が結構色々なところに見られるのです。臨床現場の獣医師として思わず「そうだよね~~」と首肯するような内容もあり、何もわかっていなかった小生の不明を恥じるような気持にもなりました。人気がないのも何となくわかるような・・・・。産業動物獣医師の魅力を上げていくのはなかなか大変そうです。

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