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蓮沼浩のコラム
第512話:長さ

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2018年3月22日

 出張に行くとレンタカーに乗る機会があるのですが、小生がいつも乗っている愛車とは違い、ここまで進化しているのかと驚きです。運転中に車に注意されることも結構あります。色々な人から注意ばかりされているのですが、ついに車からも注意されるようになってしまっています!

 以前ふくらはぎの肉離れをしたときに、お医者さんが巻尺でふくらはぎの周囲をはかり、左右で長さが違う事から腫れていることを教えてくれました。別にレントゲンやCTを撮ったりしているわけではないのですが、このシンプルなアナログ診断に患者さんの立場として妙に納得してしまいました。そのことがあってから、小生も診療には1mの短い巻尺をいつも携帯しています。球節、飛節、膝関節、前膝などの腫れは見ればわかるのですが、巻尺で周囲をはかり、左右の長さを比較することで腫れの程度を客観的に把握できるので地味ですが結構頼もしい診断ツールとなってくれます。あまり出番はないですが、ちょっとしたときに役にたちます。

 これとは別に、自分の体の部位の長さを覚えておくことも重要です。とくに小生は手のひらを広げた親指と小指の長さ、人差し指の幅や関節の長さ、両手を広げたときの長さなどをしっかりと覚えています。こちらも地味ですが結構使えます。また、自分の体で10cm、50cmなどの長さを把握していることも役に立ちます。たとえば、挫創の大きさなどは手のひらを当てて大きさを推測したり、牛舎のパドックの大きさもあまり大きくなければ、両手を広げてどのくらいあるかを実際にはかったりもします。あくまでもこれらはおおよその数値になりますが、このようなちょっとしたデータでも持っているのと持っていないのとでは診断の精度に差がでてくるのではないでしょうか。往診が忙しいとそんなことにかまっている暇はないかもしれません。しかし、そのような中でもこのようなアナログなデータを診療につかっていくことは非常に重要なんじゃないかな~~~なんて思っています。

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