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蓮沼浩のコラム
第441話:やっぱり基本は母牛です。

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2016年6月16日

 最近はお酒の飲み方が上手になってきて泥酔することがなくなってきたのですが、先日は思わずやらかしてしまいました。焼酎のお湯割りは小生にとって非常に危機な飲み物なので毎回注意して飲むのですが、ワインも危険な飲み物と判明しました。つくづく自分の馬鹿さ加減に辟易します。

 先日お邪魔した牧場で本当にびっくりしてしまいました。とにかく牛さんの状態が抜群に素晴らしいのです。あれ?今までこんなに牛の状態はよかったかな??と思わず首をかしげてしまうレベルです。でも、話を聞いて本当に納得できました。何をしているかというと・・・そうです、母牛の管理を徹底しておこなっているのです。まず母牛の胃袋の状態を安定させ、牛の栄養状態をみながらのきめ細かい管理。母牛の状態を安定させるだけでなく、子牛に飲ませる母乳の乳質をどうやってよくしていくかまで考えています。酪農家さんならいざ知らず、和牛繁殖農家さんで乳質のことまでしっかりと考えていらっしゃるのは素晴らしいです。その甲斐あって、子牛はどの子も病気など全くない、元気で発育もよく申し分ない状態。そこの農家さんは早期離乳しているわけではないのに、分娩後40日以内の発情で授精して、毎回一回でついています。
繁殖の基本はやはり親牛の管理であると改めて実感させていただけました。
「いかにして安定して一年一産を達成するかに全力を尽くすことが大切です」との言葉には重みがありました。ホルモン剤など使うこともなく、繁殖障害の治療もなく、子牛の治療もなく、元気な子牛を毎年生産していく。レベルは高いと思いますが、是非とも目指していきたい世界ですね。

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