 |
第78話「割り込み:絶対に助けたいんジャー②」 |
コラム一覧に戻る
2016年3月23日
「それならまずはお湯だ!」

熱めのお湯をたっぷりもってきます。
寒い日はすぐに冷めますので、とにかく熱めです。
ついでに補液剤もあたためます。
砂糖をお湯にとかして飲ませるのもいいですね。脳のエネルギー源は糖分ですから。
次!風が吹きすぎています!この子の体温がどんどん奪われてしまいます。
「それなら移動だ!」ということで、風がこない場所に隔離。
スタッフの方にお願いして柵に飼料袋を渡し、風よけを設置してもらいました。
それから牛舎のファンもストップ。
次!血液循環をよくしましょう!
先ほどあたためた点滴を流していきます。
流している間も心肺の負担が心配です。時おり聴診器をあてて呼吸音や心音を聞き、負担がかからないよう流速もその都度調整です。
次!体をもっと温めたい!!
ヒーターはないですか!ないですか…。
ネックウォーマーはないですか!ないですか…。
ジャケットは…ないですね。
熱が逃げないようにしたいのですが…。
あ!あるじゃないか!

ということで、自分が首に巻いていたやつを牛さんに装着。
少しでも保温に役立ってくれればいいけど…。

と、ないものづくしの現場ではこんなバタバタ診療が展開されることもあります。
「やれることをすべてやったのか」と自問する毎日です。
ちなみに、ヒーターが設置されこの牛は体温を回復。
よかったー(T_T)
前の記事 第77話「割り込み:絶対に助けたいんジャー①」 | 次の記事 第79話「白血球のおはなし⑧~単球兄弟~」 |