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桐野有美のコラム
「子牛の口に入るもの−13」

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2009年4月15日

 それから牛舎の壁や仕切り柵。これも子牛の口にはいるものとして認識する必要があります。人間の赤ちゃんもそうですが、とにかく子牛は何でも口にいれたがります。特に母牛と離してすぐの子牛は、口さみしいのか本当に四六時中舐めています。エサ箱のへりや隣との仕切り柵を舐めているうちに、そこにこびりついた便をかじっていることもあります(良質の生菌剤を常に牛群全体に添加していれば、そのかじった便からも善玉菌を得ることができるのかもしれませんが・・・)。やはり梅雨どきはうっすらと生えたカビも気になります。敷き料交換のときに壁面の掃除もするようにしましょう。

 以上、子牛の口に入るものに着目して書いてみましたが、読み返せば他にもたくさん気になることがあるような気がします。ポイントは、「子牛の部屋に入って、しゃがんでみよう!」です。わたしたちは子牛を治療するときには必ずと言っていいほどしゃがみますので、いろんなものが見えてきます。今回のテーマではありませんが、子牛の高さになってみれば匂いもかなり気になることがあります。
 牛は家も、食べ物も、飲み物も選べません。それを決定しているみなさんが、牛の快適性を最優先してくださいますように!と願いながら、このコラムを閉じます。ありがとうございました。

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