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第76話「白血球のおはなし⑦~血液界のジェームズ・ボンド~」 |
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2016年3月7日
腰が痛いです。
長距離運転が増えたせいか、運転中に腰が痛くなることがしばしば。
パソコンの検索履歴にも
「腰痛」「運転 腰」「腰痛対策 運転」「腰痛 ストレッチ」
などなど、腰痛ワードがずらり(笑)。何か対策はないものか…。
ということで、まずはこれを買いまして早速装着!

運転中の腰の負担を減らすやつです。はてさて、戸田の腰痛に改善は認められるのか。
こうご期待!!

さて、今回の主役はマクロファージ。
単球の中に「マクロファージ」と「樹状細胞」の2つが分類されていますが、もとは同じ「単球」なんです。
ちなみに単球はこちら↓

(獣医組織学 第四版 より引用)
写真はイヌの単球です。牛の単球が見つからなくて…(泣)。血球の中で一番大きく、細胞質に空砲があることも。
血管の中を流れているときは「単球」と呼ばれ、ほとんど機能していません。しかし、血管外に一度出ていくと、「マクロファージ」や「樹状細胞」と呼ばれる特定の機能をもった細胞へと変身して体に侵入した異物と戦います。血管の中か外か、それだけのことですね。
単球の仕事は「パトロール」。
体に侵入した細菌やウイルスなどの異物を発見すると、血管からとびだしてそれらを「逮捕」しにいきます。血管を出てマクロファージになった『もと』単球は、異物がなんであれ、とりあえず飲み込んでいきます。この飲み込みを「貪食(どんしょく)」というのですが、その力は好中球ほど強くありません。好中球は特定の異物であればいくらでも貪食できるパワーをもっています。マクロファージにはそのパワーはありませんが、代わりに
「なんでも食べられる!!!」
という特権があります。さらに、
「異物を分解してその情報を伝える!!!」
という、特別な力をもっていることも外せません。
マクロファージは異物を分解した後、「こいつは異物だぞ!」という情報を別の免疫細胞(ヘルパーT細胞)に渡します(=抗原提示)。そうすると、「この異物と戦え!敵はこいつだ!」という指令が体中を駆け巡り、一気に免疫反応が活性化していくのです。
異物をバクバクと食べてくれる好中球ほど目立ちませんが、敵の情報を調べて教えてくれるスパイとしての能力なら負けません。好中球がしっかりとその仕事をまっとうできるように、今日も休まず体中をパトロールしてくれています。
がんばれ!血液界のジェームズボンド!
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