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数面麻子のコラム
第120話:犬から牛へ・・・②

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2016年2月26日

 今回はブルセラ病について。この病気も犬、牛に限らず、種々の動物間で感染が起こる病気であります。感染経路は経口、経皮、交尾、粘膜感染等々あらゆる経路が成立します。特に、流産胎仔や胎盤、悪露、乳汁に大量に菌が排出されるので注意が必要です。牛さんの症状としては流産(妊娠7~8ヶ月目で多い)、不妊、関節炎、膿瘍形成、乳房炎など。犬でも同様の症状が見られます。ヒトでは発熱、関節痛などで、特に特徴的な症状は見られません。

 この、ブルセラ病という名前を聞いたことがない方が多いと思われますが、それもそのはず、ブルセラ病は法定伝染病の1つであります。発生したら大変です。海外ではワクチンで予防対策をしているところもありますが、日本では淘汰を行って防疫対策を行った結果1970年代から発生数が減少し、現在ではほぼ清浄化されていますので、ご心配なく。とは言え、人や動物の移動が頻繁である現代ではいつ病気が侵入してくるかわかりませんので、衛生管理はしっかりしておきたいところです。

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