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第66話「ボツリヌスの恐怖 その3」 |
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2015年12月29日
「ぶ~ん。ぶ~~~ん。」
なんだかうるさいなぁ。大きなハエでも入ったのかなぁ。
うたた寝をしていた戸田を変な音が襲います。
むにゃむにゃ。うるさいから叩くか。 よっこいしょ。
と起き上がり、音のする方に目をやると…
ハチやないかいっ!!!( ゚Д゚)
ハチでした。しかも3匹が我が家に進入。3匹!?
アシナガバチのようで、細長い美脚をスラッとたらしながら右往左往していました。
「うわあああああああ!!!」
恐怖におののく戸田。ハエ叩きを手に取る戸田。「すぱぱぱぱぱーん!」とハエと格闘です。
命は大切にしないといけないのですが、帰ってくる嫁を守るために心を鬼にした戸田なのでした。

ごめんなさい。
さて、たとえ芽胞が侵入したとしても腸内細菌さんたちが倒してくれるということで、めでたしめでたしだった前回までのお話。
しかしながら、人間の話をすると、消化管の手術後、治療のために免疫抑制下にある場合、あるいは長期間の抗生剤投与下にある場合などでは感染のリスクはぐっと上がってしまいます。腸内細菌のバランスが崩れているからうまく倒せないってことです。
そういえば、牛さんってとってもデリケートですよね?
環境の変化やエサの変化、近くにいる個体の変化によって非常に大きなストレスを受け、体調を崩してしまうこともしばしば。そんなとき、腸内細菌のバランスも往々にして崩れてしまっています。つまり!ボツリヌス菌感染のリスクは人間とは比較にならないほど大きくなってしまうということなのです。(‘Д’)

こんな風に、飼槽や牛床に糞が散らばっていれば、「アッ!」という間に牛さんの体に芽胞は侵入。その牛さんが体調を崩していれば感染が成立してしまって…。
考えただけで恐ろしいです。
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