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割り込み! ~耳血腫の治し方①~ |
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2015年12月22日
「先生!母牛の耳に何かできて、血がダラダラしてるんですケド~!」
『耳標の穴が化膿してジュクジュクなってる感じですか?』
「イヤ!!そこじゃなくてもっと上の方!」
ん~~ヾ(* ̄  ̄)o
『あまぢ(パピローマ(乳頭腫)の鹿児島弁です!)が取れて出血してるんですか?』
「いや~…それじゃない気がする!!とりあえず先生来て~ヾ(^▽^*」
という電話をもらい、現場へ急行すると…

耳介が膨らんで出血し、化膿しています。
これは、”耳血腫”です!
では、まず耳の構造について…*´▽`)/~~
耳は触ってもわかるように、軟骨の周りを皮膚が覆っており、体の他の組織と比べて皮下織がほとんどありません。なので、自由自在に折り曲げることもできるし、ピアス用の穴だって簡単に開けることができるのです!(私も4つ開いております(笑)牛の痛みを理解するために…うふ♪(* ̄ー ̄)v)
もし、この薄い耳に衝撃が加わると、皮膚と軟骨の間に血がたまり、内出血をおこしてしまうことがあります。
牛の耳血腫ができる原因としては主にこれです。
①ダニなどの外部寄生虫
痒い→激しくかくorこすりつける
②物理的障害
スタンチョンに挟むor他の牛との戦い
③耳の中にある異物や腫瘍
耳に違和感→足でこする 腫瘍からの出血
このようなことが原因なので、牛は耳を触るのを極端に嫌がります。いくら保定をしっかりしていても、めっちゃくっちゃ暴れます!!!人も牛も安全に治療するために、鎮静剤はためらわず使いましょう。(妊娠牛には気をつけてね!)
大量出血がおこらない限り、命に関わる病気ではありませんが、犬猫では美容上問題になることもしばしばあるので、整形手術で耳の形を整えることもあるようです。
この母牛も毛を剃って、耳をよく洗ってみると…内出血した部分が破れて周辺まで腫れています。

痛そぉ~”(/へ\*)”))ウゥゥ・・・
目を覆ってばかりは、いられません!!
さぁ!治療に入りましょう!!
耳を焼いてしまいましょう!!………つづく(*^▽^*)
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