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伏見康生のコラム
NO.332:モミガラを敷き料に その2

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2015年12月16日

そこで、モミガラのオススメな使い方が、敷き料として“とにかくどっさり”入れるというものです。ハッチでもパドックでも30cm以上が一つの目安です。

モミガラの物性的特徴は、吸水性が低く、体積が大きく(重量の割りにカサが張る)、圧縮に負けにくい(隙間に空気を良く含む)ことにあります。
また、他用途として利用価値があまり高くないため、安価であることも特徴です。

ではそれらの特徴を踏まえて、このモミガラを敷き料にしたときのメリットは何かというと・・・

①厚く敷く分、床からの伝導熱を防げる

②吸水しないので尿はすぐに最下層の床まで落ち、表面が濡れない(牛体が濡れず、蒸発熱を防げる)

③糞便はもみがらにくるまれ、牛体が汚れず、やがて自然に乾燥する(牛体が汚れない)

④厚い空気の層により尿の匂いも上がってきにくい

⑤牛が座った際に子牛の体が少し埋まることで保温性が高まる

⑥モミガラの追加と堆肥出しの手間が大きく減り、時間、労力、コストを削減できる(ハッチでは2ヶ月以上交換・追加の必要なく管理できるとの報告)

⑦モミガラをもらってきたらダンプのままどっさりパドックに入れればいわゆる“置き場”というものが必要ない

そんな夢みたいなおいしい敷き料・・・それがモミガラです!!
一方で注意しなくてはいけない点としては、「モミガラを子牛がたくさん食べた場合の胃腸障害の可能性」「敷いたときの勾配がきついと起き上がれなくなる可能性」などがあると思います。遭遇したことはありませんが。

以下の写真は、異なる3つの農家さんのものですが、それぞれハッチやパドックに大量のモミガラを入れて牛を管理しています。「モミガラハッチ」「モミガラパドック」です。
2枚目はモミガラを入れて半年ほどたっていたものと記憶しています。牛の腿や前膝、おしりまわりの汚れがほとんどないことが何よりすごいです。1枚目の写真の子牛についているのはモミガラです。

モミガラすごい!!
ぜひおためしを。

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