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蓮沼浩のコラム
第427話:やっぱり、肺炎にしてはいけない その6

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2015年11月26日

 普段はほとんどお酒を飲まないのですが、時々飲むと泥酔します。人様に迷惑をかけないようにしないといけないといっつも反省の蓮沼です。今日は気をつけるぞ!

 感染力の強いマイコプラズマ・ボビスの広がりを防ぐにはどうすればよいのか。本当に現場では頭を悩ませます。目の前に広がる肺炎と中耳炎の嵐をみると途方に暮れてしまいます。正直にお話しすると、広がってしまった場合はもう覚悟を決めてとことん治療に入るしかありません。その間に消毒をしたり、抗生物質の添加をしたりありとあらゆる手段を使って対応します。発症してしまった場合はもうどうしようもないのですが、「新しく発症する子牛をいかにして防ぐか」という点を常に意識することが重要です。
 何度もお話ししていますが、マイコプラズマは感染力が非常に強いのでいかにして水平感染を防ぐかが勝負となります。新規の発症をとにかく抑えるのです。たとえば、ハッチで中耳炎が多発するようなところは間違いなく何かしらの原因で病気が横に広がっています。子牛同士の接触が簡単にできてはいないか?哺乳瓶や乳首の消毒はしっかりとできているのか?水飲みバケツはきれいにしているか?人が中に入って、また次のところへ移動を繰り返すことで病気を広げていないか?などなど感染が広がりそうなポイントは徹底的につぶしていきます。
 では、パドックなどで多頭飼育している場合はどうするのか?
これはもう、発症牛をすぐに隔離し、群の中に病気を蔓延させないことと、消毒、治療の徹底、そして抗生剤の添加などで対応するしかありません。本当に厄介な病気ですね。
 多くの牧場を見ていると、やはり病気が広がるのは外部導入した感染している子牛が持ってきて病気を広げている可能性が結構高いと感じています。この外部導入牛からの感染拡大をいかにして防ぐかという点も重要ですね。
 今までは特に何も意識しなくても普通に牛飼いができていたのですが、規模が大きくなり多頭化が進むと今までの理屈が通らなくなってきます。農場の方の意識改革というものも非常に重要なポイントとなってきます。

 あれ、しまった。なんだか重たい内容になってしまった・・・・。

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