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桐野有美のコラム
「お産の話−11 「へその緒の正体 その1」」

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2007年12月12日

 臍帯(へその緒)がちぎれて、胎盤からの酸素供給を受けられなくなったとき、仔牛の心肺機能には大きな変化が起こるんだ、ということを書いてきました。さて、そんな大事件のきっかけとなる臍帯ですが、これにまつわるトラブルも珍しくありません。いったいおへそは仔牛の体の中のどこにつながっているのでしょうか。
 臍帯の中には、ご存じのように太い血管が通っています。胎仔の老廃物を胎盤へ向かって運び出す「臍動脈」と、逆に胎盤から胎仔へ酸素や栄養分を運び込む「臍静脈」です。
 「臍動脈」は胎仔の体の外へ出て行く血管ですが、「臍静脈」は胎仔の体の中に入ってくる血管です。ん?入ってくるって・・・入ってきてどこにつながっているのか気になりますよね。実は臍静脈は肝臓までつながっているのです。胎盤から臍静脈を通って入ってきた新鮮な血液は、まず肝臓へ届けられ、ここに栄養分を蓄える、というわけです。
 臍帯につながっている臓器、もうひとつあるんですが、それは次回!
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