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数面麻子のコラム
第101話:子牛についていろいろ・・・⑨

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2015年10月2日

 さて、本日はビタミンについてみていきましょう。このあたり、実は知らない間にこれらが不足してしまっている可能性もあります。
 まずは脂溶性ビタミンについて。脂溶性ビタミンはビタミンA、D、Eの3つです。子牛は生まれてすぐはこれらを体内にほとんど保持していない状態で生まれます。もちろん、これらのビタミンは初乳を摂取することで子牛の体内に吸収されるのです。初乳には、ビタミンAの前駆物質である、βカロテンも多量に含みます。常乳に比べ、5~6倍の脂溶性ビタミンを初乳は含んでいることからも、初乳の摂取がいかに大切か分かりますね。ここで注意するべきことが1つ、当然のことながら、お母さんの体内で初乳は産生されます。ということは、お母さんが栄養不足(ビタミン不足)であれば、子牛に渡るビタミン量も少なくなってしまいます。夏もそろそろ終わりの今の時期、夏の暑さを耐えてきたお母さんの体はずいぶんとビタミン等を消費したことでしょう。子牛のためにも、ビタミン不足が気になる方は是非お母さんたちにビタミンを補給してあげましょう。

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