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第50話「怖い思ひ出⑥」 |
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2015年9月7日
日が暮れる時間がだんだんと早くなってきました。夏の終わりもすぐそこですか。
切ないです。猛烈に切ないですね。さようなら夏さん。こんにちは秋さん。
さて、獣医師国家試験に向けて出発した戸田青年。
試験会場は福岡だったため、前日入り。宿泊先ではずーっとソワソワでした。
テキストを開いてもじっと座ってはいられません。
うろうろしながら文字とにらめっこです。とにかく落ち着かない。ソワソワしっぱなしです。
試験へのプレッシャーに確実に押しつぶされていました。
「あー。この分野関連でつくったノート持ってくればよかった。」
「あれ?この薬、どんなふうに作用するんだったっけ?」
前日にも関わらず、不安ばかりが頭をよぎりメンタルがどんどん弱まっていきました。
「もう寝よう」
ついに、現実逃避という最終手段をとることにしました(笑)。
緊張して眠れないんじゃないか、という不安はなんのその。いつの間にか眠りにつき、あっという間に翌朝となりました。
そして試験開始。
「これ分かる!これは…2か4かな。これは分かんない。」
試験時間に対する問題数がとにかく多いのが国家試験の特徴。1つの問題に時間をかけて格闘している時間はありませんでした。とにかくテンポが重要。
分かんなくても先に進むのです。
そうしてなんとか終えた1日目。
自信のある問題を数えてみると
…それらがすべて正答だったとして得点率55%。
明日で挽回しないと落ちるやん!!!( ゚Д゚)
2日目は戸田青年が非常に苦手としていた画像問題。
病変やレントゲン写真などが1枚あり、それに関する問題が出されるのです。
「明日、挽回できるわけないじゃないか。もう、だめだ。寝よう。」
その日は深い絶望に襲われ、勉強する気もおきず、精神的疲労に包まれながら眠りについたのです。
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