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戸田克樹のコラム
第49話「怖い思ひ出⑤」

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2015年9月1日

「もう、こんな生活いややーー!!」

前回、音を立てて崩壊した戸田メンタル。
この時期が何より一番精神的にきつかったです。
孤独感が非常に強く、何をやってもダメだという絶望感、さらには自己否定も散々やっていました。

なんてダメなやつなんだ。

そんな言葉を何度自分の中で繰り返したことでしょう。

みんなの顔を見るのもつらくなり、勉強部屋に足も向かなくなってしまいました。
でも、勉強しないわけにもいかず、大学の研究室でひとり勉強するようになったのです。
ただの引きこもりでしたね。食欲もなく、このころの戸田の相棒はデスクに置いていた胃腸薬のビンでした。

病んでますね(笑)。

ひとりになり、テキストと過去問に対峙する毎日。
ただただ、ひとり。ぼっち。

でも、成績のよかった友達を気にする必要も、周囲で交わされる試験問題についてのやり取りもそこにはありません。ひたすら静かです。

いいじゃん。

戸田は研究室でひとりになり、徐々に精神の落ち着きを取り戻していきました。
今思い返せば、あそこは当時の私にとっては療養部屋だったわけです。(笑)
 
 
数日後、悩むのも人のことを気にするのもアホらしくなりました。
「試験まで日にちないじゃないかっ!」
やっとそこを気にする心の余裕がでてきたのは試験まで残り20日をきってから。
遅いっ!!!

悩むのをやめ、もうとにかく必死で問題を解いて解いて解きまくりました。
試験までの日数はあっという間に1桁になり、試験を前に勉強部屋の撤収も終わり、あっという間に出発の朝。

「もういいや。こんだけやったし。」

妙な開き直りとふっきれた心、そして少しの勉強資料をもって試験地に向けて出発したのです。

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