 |
寄生虫の話−6 「寄生虫 VS 防衛軍」 |
コラム一覧に戻る
2007年3月21日
よそ者(細菌やウィルス、その他の異物)が牛の体に入ってきたときに、それを見つけて攻撃してくれる防衛軍を「免疫」といい、それはもちろん寄生虫が入ってきた時も出動してくれます。
ここで出動する防衛軍の指揮官は、リンパ球です。この指揮官が軍全体の作戦や装備を決定します。作戦は大きく分けて二つあり、それぞれ「細胞性免疫」作戦と「液性免疫」作戦と呼ぶことにします。指揮官は、あらかじめ体のあちこちに配備しておいたスパイから、今回侵入してきた敵(病原体)がどんなやつなのか情報を集め、その病原体の種類に合わせて、今回は「細胞性免疫」作戦でいくのか、はたまた「液性免疫」作戦でいくのかを決定します。
では指揮官は、どんな寄生虫にどんな作戦をとるのでしょうか?かなり大雑把に言うとコクシジウムやクリプトスポリジウムなどの「原虫」といわれるグループに対しては「細胞性免疫」作戦を、一方乳頭糞線虫やオステルターグ胃虫など「消化管内線虫」といわれるグループに対しては「液性免疫」作戦を指示します。

前の記事 寄生虫の話−5 「ひとつの考え方として・・・」 | 次の記事 寄生虫の話−7 「作戦成功?」 |