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数面麻子のコラム
第94話:子牛についていろいろ⑤

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2015年8月14日

 生まれた子牛でよく見られるものの1つが、白痢です。白痢の原因としてはお母さんの母乳であることも少なくありません。お母さん自身が十分に栄養を摂取できていない場合は、あるだけのエネルギーで無理やりミルクを作ることによってケトン体がミルクに入り混み、子牛がうまく消化できなくなります。また、逆に母乳中の乳脂肪が子牛にとって多い場合も下痢することがあるようです。また、子牛にとって乳量が多い場合も、飲み残しのミルクがお母さんの乳首に残ってしまい、そこで腐敗したものを飲んでも下痢になりますね。脂肪の消化率は子牛によって個体差があり、またお母さんの乳脂肪率や乳量は個体差や分娩日数によるものが影響します。

 下痢対策としては、お母さん牛が痩せているような場合は、当然のことながら飼料を増やしてあげて、お母さんが余裕をもってミルクを作り出せるようにエネルギーを足してあげましょう。栄養状態的に特に問題がないようであれば、子牛用のマスクを使ったり部屋を区切ったりして、子牛が一度に飲める量を調節してあげると治ることが多いです。第四胃できちんと処理できる量を飲ませてあげるようにするのが大切ですね。

 ※ 画像は後日アップいたします。

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