(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
桐野有美のコラム
「第1話 「牛の体は胃でできている!」」

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2006年8月21日

 はじめまして!(有)シェパードの獣医師の桐野です。
 スタッフによるコラムということで、何をテーマにしようか迷ったのですが、わたしは肥育の分野で胃ぶくろのお話をしてみたいと思います。
 牛飼いという営みの中では、いつも気になってるけど解決しがたい悩みがあるものです。ややもすると事態の一面しか見ないために、何が本当の問題なのかさえよくわからなくなっていることもあるようです。
 「どうすればいいか」だけではなく、「いま自分の農場が抱えている問題が、どんな原因から発生していて、それを解決するためにはどんな方法があって、なぜそれがいいのか」を理解することは、面倒だけど長い目で見ると実は近道のようです。このコラムがそのお手伝いになればいいなと願っています。
 ここでは、牛のお腹の半分以上(約60%)を占める第一胃=ルーメンについて書いていこうと思っています。最終的に製品となる筋肉・サシは、ほとんどここで作られたり吸収されたりするものが原料となります。つまり、いい品をつくるためにはルーメンの機能をフル活用することがどうしても必要、というわけです。
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