(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
椎葉絢香のコラム
膝瘤ってなんですの~?③

コラム一覧に戻る

2015年4月30日

 私が手術した牛さんがこちらです。
膝瘤ってなんですの~?③

 二頭とも肥育牛で、赤ちゃんの頭ぐらいの膝瘤(中身は透明の漿液)がありました。熱感疼痛はありません。

 症例①の牛ではPRP療法を実施しましたが治りませんでした。PRP療法については、またのコラムで詳しく書いていこうと思います。

 では、手術の流れを説明していきたいと思います。

 
 手術の麻酔は、普通の手術となんら変わりありません。

 ①皮膚を切開すると、すぐにツルリとした嚢胞が出てきます。皮膚を切った時に少々出血しますので鉗子を使って止血してくださいね。

 ②次に嚢胞の周囲を剥離していきます。

  手荒くしているように見えますが、嚢胞の周りはものすごーーーく強い結合組織で囲まれているので剥離にかなりの力を使います!(;・∀・) 手や鉗子を使って徐々に嚢胞を切り離していくのですが、嚢胞のすぐ後ろに関節包(関節をおおう強い膜)があります。それを傷つけてしまうと無菌的な関節内を汚してしまうことになるので関節包を傷つけないように、そして嚢胞を破らないように注意してくださいね。

 すると取れるのです!
 綺麗に丸ごと膝瘤が!!! ( *´艸`)

 ………つづく(*^▽^*)

|