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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−34 「ウォーターカップ編(2)」」

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2009年4月24日

 ウォーターカップの悲劇をご存知でしょうか?
 牛さんがウォーターカップに慣れておいしく水を飲んでいると、ウォーターカップの金具に鼻環をひっかけてしまい鼻鏡を断裂してしまうのです。日々の診療でも往診依頼があります。鼻鏡断裂の場合、通常は放っておいても自然に血は止まりますが、あまりにも出血がひどい場合や、繁殖農家さんでセリに上場する時のために、鼻鏡を縫合したりします。縫合すると見た目はきれいに治りますが、再度鼻環を装着することは残念ながら難しいです。農家さんによっては、こういった事故を避けたいがために、導入後に鼻環を外す方もいるくらいです。しかし鼻環は、牛を捕まえたり保定する際に重要で、着けておいた方が牛のハンドリングが容易になります。
 では鼻環を装着したままで、鼻鏡断裂の悲劇を生まない良い方法はないのか、という方には、頭絡(オモテ)の装着をお勧めします。牛にオモテを装着して、鼻環を弛ませなければ、悲劇はかなり予防できます。
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