(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−33 「ウォーターカップ編(1)」」

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2009年4月17日

 私がまだ入社して1年目の頃、「市場から買って来た牛が餌を食べない」と診療依頼がありました。その牛は経産の老廃牛でしたが、本当に何も食べていません。経産牛が餌を食べないなんてよっぽどだなーと思い診察してみると、熱も平熱で胃動もありました。おかしいなと考えていたところ、牛の鼻鏡が乾燥しているのとウォーターカップがカラカラに乾いているが目に留まり、もしかしたらと考え、バケツに水を汲んできて置いてみました。するとその母牛はものすごい勢いで水を飲み始め、それを見て農家さんと大笑いしたのを覚えています。
 もしかしたらその母牛はずっと同じウォーターカップを使っていない農家さんの家にいて、その使い方を知らなかったのかもしれません。肥育の導入牛も同じで、生産農家でウォーターカップを使用している場合はよいのですが、そうでない場合は、水の飲み方(ウォーターカップの使い方)が分からない牛も多いので注意して下さい。牛が覚えるまで、水を飲ませてあげなければいけません。
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