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戸田克樹のコラム
第20話「卒業論文⑤Talking of チンパンジー♪ ~思春期は別れの季節~」

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2015年2月9日

立春が過ぎ、日本各地で春めいたシーンが少しずつ見えてきたのではないでしょうか。
往診で車を走らせていると、かわいいお花が恥ずかしそうにちらほらと…。
第20話「卒業論文⑤Talking of チンパンジー♪ ~思春期は別れの季節~」

鹿児島にも春が来ております♪
とはいうものの、昨日は雪がふるし、今日も吹く風は冷たいし、まだまだ冬でしょうよ、コレ(‘;’)
 
 
 
春といえば出会いの季節。一部の動物は繁殖期に入り、群れがソワソワ♪し始めますね(//▽//)
今回はそんな恋の季節にまつわるテーマでお送りします。

「残るのはオス♂なのかメス♀なのか」

発情を迎えたオスは群れを離れて、パートナーを探し、新しい自分の群れをつくる

集団生活をする動物に対して、そんなイメージを持っている方は非常に多いでしょう。
身近な例で言えば、ニホンザルがそれに当てはまります。

では、チンパンジーはどうなのか。

彼らの社会では、初めての発情を迎えたメスが群れを離れて別の群れに所属するというスタイル。いわゆる父系社会(生まれたオスが群れにずっと残り続ける社会)」なのです。

群れを離れると、他の動物から襲われる機会も増えて危険です。父系社会では群れの中のオス頭数が一定のため、防衛力が大きく変動することがない(群れに大きな危険が及びにくい)というメリットがあるのです。
生き残っていくための一つの戦略なのですね。

さて、オスがどっしりと群れに居座り続ける一方でソワソワし始めた(発情期を迎えた)メスはどうなるのでしょうか。
 
 
群れを見つけては接触を試み、ときに拒絶され、ときに追い掛け回され、それでも自分の居場所を求めて森をさまよいます。なんともかわいそうですね。
運よく、新たな群れのメンバーに認められれば新入りとして仲間入り。
さわやかなイケメンを見つけて、二人だけの世界へ…

とはいかないのがチンパンジーの世界。
そこには昼ドラも真っ青な展開( ゚Д゚)!!!が待っているのです。

つづく。

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