(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
数面麻子のコラム
第68話:風邪について考えてみる⑦

コラム一覧に戻る

2015年1月30日

 広義でいえば非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)に分類されますが、作用機序が異なる解熱剤としてスルピリンがあります。ピリン系に分類されるもので、COX-2を阻害するのではなく、脳にあって体温を調節する機能を持つ視床下部という部分の興奮を抑制して、抹消の血管を拡張させることで発汗を促し、熱放射を増大させることにより解熱作用を示します。人間でいうと感冒薬で、抗炎症作用は持ちません。
 さて、解熱剤について詳しく見てきましたが、実際どのように使い分ければよいのでしょうか。解熱においては様々な考え方がありますが、まずは解熱作用の弱いものから使用していくのが良いと思います。最初から強い解熱剤を投与すると一緒に投与した抗生剤が効いているのか否か判断がつきにくくなります。解熱作用が弱くても熱が下がったということは抗生物質がきちんと効いているという目安にもなります。

第68話:風邪について考えてみる⑦

|