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戸田克樹のコラム
第17話「卒業論文②~なぜチンパンジーなのか~」

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2015年1月13日

 今回は「なぜチンパンジーを卒業論文の対象動物に決めたのか」についてお話します。

私は大学時代、行動生理・生態学教室に所属していました。研究室では、動物の神経機能や行動学が主な研究テーマになっていました。
小さいころから

「動物と会話できればいいのになぁ( ´з`)…」

ともどかしく思っていた私。

「言葉でコミニケーションをとれない動物が日常生活の中でどんな行動をとっているのか、彼らのとる行動の中にどんな意味があるのか知りたい(*’▽’)♪」

と思い、行動学に興味を持ち始めました。さらに!霊長類を研究のテーマとしていた先生が研究室にいたため、研究の対象も霊長類でやれないかなぁ…と思うようになっていました。

(だって、同級生のだれともかぶらない動物で研究するなんて、ドキドキわくわくするじゃないですか笑。)
 
 
私が師事していた先生は、霊長類のストレスレベルの測定や野生のサルの生態調査をされている方でした。動物福祉に興味があった私は、「ストレス」というひとつのワードに引き寄せられたのを覚えています。また、研究するにあたって、フィールドは動物園に設定しました。そこに住まう動物たちは野生と異なる環境で生活しています。居住空間は限られ、周囲は人工物で囲まれています。そんな環境の中で、どのような行動を見せてくれるのか、どのような場面でストレスを感じるのか、そもそもストレスを感じるのか。知りたいことは山ほどありました。そして、調査対象に選んだのはチンパンジー。彼らは人間と遺伝的に非常に近縁とされる種としても知られています。動物園にいる数々の霊長類の中でも、私たちの‘親戚’にあたる彼らに非常にひきつけられたのです。

「彼らにとってよりよい飼育環境ってなんなのだろう?」。

それを知るために、彼らを調査することは非常に有意義なことなのではないか!と、私はメラメラと情熱を燃やし始めたのです。
(^◇^)

つづく

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