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松本大策のコラム
中国牧場奮闘記 その2

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2014年12月1日

 日本のF1やホルスを輸入肉から護るには、中国人にアメリカやオーストラリアの牛肉を食べさせればいい!と勇んで中国に向かったのはよいのですが、日本式焼き肉店を広めようという当初のもくろみは、アメリカのBSE発生でもろくも崩れ去ってしまいました。

 しかし、中国が発展する過程で、牛肉に品質を求めるようになれば、将来再び日本が輸入肉の脅威にさらされるときに、かならず安全弁になるという想いは変わりませんでした。
 しかし当時の中国産牛肉は、まだ品質が悪く、硬くて味の方も決して褒められた物ではありませんでした。「牛肉は美味しくないもの、出汁を取るか煮込むか、細切れにして炒めるか」というイメージが強かったのです。

 そこで中国の人たちに美味しい牛肉をたくさん食べてもらうには、まずその味を覚えてもらわないといけない!と考えて、中国に牧場を作って美味しい牛作りの指導をしよう、と思い立ったのです。

 しかし、僕にはお金も人脈もありません。あちらこちらの地方政府に「新しい牧場を作りませんか?」と持ちかけては断られる、という繰り返しでした。

 もう、僕ごときが個人でできることはないんだろうな、とあきらめていたその夜に奇跡が起こったのです。。

(続く)

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