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佐々隆文のコラム
「第10回 「双子のお産」」

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2006年11月16日

 2006年1月末に兵庫県の酪農家方で、ホルスタインと和牛の精液を同じホルスタイン母牛に種付けしたところ、両方とも受精して、和牛交雑種(F1)とホルスタインの双子が生まれたという極めて珍しいケースが報告されています。
 通常牛の排卵は1発情で1個ですが、2個以上排卵する場合があり、その割り合いは乳牛で約10%、肉牛で0.5%と言われています。
 双子は私も何度かお産で遭遇したことがあります。双子の場合の第一の問題としては難産です。
 お産で呼ばれるとき「頭が2個ある。」との稟告を受ければほぼ双子が確定です。教科書には頭位と尾位の組み合わせが多いと書いてありました。
 このように双子での難産では双胎子が同時に産道に向かうことにより起きます。しかし双子の場合、胎子自体が小さいので1頭ずつ、引き出せば娩出できます。
 私も実際に双子に直面して以来、通常のお産で胎仔を娩出した後の、双胎の確認の重要性を再認識しました。
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