|
|
今まで抗生物質についていろいろ書いてきましたが、最後に抗生物質の使用についての小生の思いを述べたいと思います。一番に思うのはその牛さんが治療で抗生物質を投与されるその背後にいかなる問題が潜んでいるのかを常に念頭に置いて治療していきたいということです。群編成ストレスにさらされているのか、気候の変動が激しいのか、ルーメンの状態が不安定になっているのか、ウイルスに感染しているのか、風通しが悪いのか、血統的な問題はないのか、餌の量などに問題はないのか、飼育密度が高いのかなどなど病気になる前の段階には様々な状況が存在します。なかなかここを見つけることは難しく、どうしても治療しながら対応していくしかないのですがつねに農家さんと色々な可能性について話し合いながら病気の牛さんの背後に潜んでいる問題を意識して治療をしたいですよね。まだまだ牛さんの臨床の世界は発展途上です。検査等も限られています。しかし、そのような中でもどうすればシンプルかつ効果的な治療ができるのか。どうすれば抗生物質をあまり使わないでよい状態が作られるのか。いろいろご意見はあると思いますが、今後さらにチャレンジしていかなければならない世界だと思っています。
|