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蓮沼浩のコラム
第394話:現場でのマイコトキシンあれこれ

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2014年9月11日

 マイコトキシンとは真菌などが産生する二次代謝物として産生される毒の総称です。世界中に存在し、その数ざっと300種類以上。まだまだわからない種類もどっさりあります。最初にマイコトキシンで重要なことは「真菌が産生する二次代謝物」であるということ。つまり、マイコトキシンをつくっている真菌本体は問題ではないのですね。変な話、マイコトキシンがなければ真菌自体にそこまで毒性はないと考えられます。大腸菌などの菌も基本的には菌が産生する毒素が問題になります。ベロ毒素、エンテロトキシンなどなど。毒がなければ菌やカビを食べても極論ですが、問題なし。身近な例でいえば、ヨーグルトや納豆やチーズなどなど、皆さん恐ろしいほどの量の菌やカビを食べています。もちろんだからと言って、カビていたり、腐っていたりするものを食べていいわけではありませんよ。
 そしてもう一つマイコトキシンで重要なことは「真菌は死んでも、マイコトキシンが生きている」場合があるということ。マイコトキシンの中には非常に熱や環境の変化に強いものがあります。食品中では真菌は死んでいても、このマイコトキシンが残ってしまうなどの問題があり、一度汚染してしまうと除去するのが大変です。
 
いつもとは違う展開のコラム。大丈夫か蓮沼!!

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