 |
第50話:寄生虫の話㉞ |
コラム一覧に戻る
2014年9月5日
今までお話してきた肝蛭とよく似ているけれど、肝臓ではなく牛さんの第1胃や第2胃に寄生し、そして肝蛭に比べてあまりその存在を知られていない寄生虫を紹介したいと思います。
みなさん、双口吸虫ってご存知でしょうか。過去に何回かコラムで取り上げられているので、よくご存じの方もいるかもしれませんね。双口吸虫は体の前端、後端に立派な吸盤を持っており、その特徴的な形態が名前の由来となっています。
双口吸虫の生活環は肝蛭にとてもよく似ています。中間宿主であるヒラマキガイやヒラマキミズマイマイなどの巻貝(肝蛭はヒメモノアラガイでしたね。寄生虫にも寄生する宿主に対して、いろいろとこだわりがあるのでしょうね。)の中である程度成長し、その後水草にくっ付いて牛さんが草と一緒に食べてくれる日をじっと待っているのです。
双口吸虫の成虫が寄生しているかどうかは糞便検査でわかります。産卵数は多い方なので、検査はそれほど困難ではありません。

前の記事 第49話:ルーメンの虫の話 | 次の記事 第51話:寄生虫の話㉟ |