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長々と続いた血便のお話も今回が最終回です。最後に血便の予防について補足を述べてみようと思います。肥育農家さんの中には素牛を導入するとイベルメクチン製剤で線虫の駆虫をする方が結構います。しかし、ここで少し注意しなくてはいけないことがあります。それは線虫の駆虫だけ行うと腸内のコクシジウムと線虫のバランスが崩れてコクシジウムが増える事で血便が出ることがあるといわれていることです。導入ストレスにより発症しやすくなっていたのかもしれませんが、確かに今まで小生は何軒かの農家さんで駆虫した後に血便を発症した例に遭遇した事があります。もちろん発生率は非常に低いのですが、ちょっと頭の片隅に入れておいてもいいかもしれません。牧場がコクシジウムに汚染される原因として外部からコクシジウムに感染した牛さんを導入するということが非常に小生は重要なポイントであると思っています。とにかく感染している牛さんは天文学的な数のコクシジウムのオーシスト(卵のようなもの)を便に排出するわけですからね。可能であれば導入時に線虫の駆虫と同時にサルファ剤の飼料添加を3日ほどやってみるのもいいかもしれませんよ。
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