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蓮沼浩のコラム
「第237話 「血便 その1」」

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2011年7月21日

前回は長々と牛RSウイルスについて述べてきましたが、今回からは牛の「血便(ケツベン)」について肉用牛の肥育農家さんと繁殖農家さんを念頭に色々現場で思うことを相変わらずの小生の独断と偏見で紹介していこうと思います。血便とよくいいますが、出血性腸炎ともいいます。小生は出血性腸炎だとちょっと言葉が堅苦しいのでこれからは血便と書いて説明していきますね。
 さてこの血便、実は対応を誤るとどえらく大変な事になります。小生は肥育農場では血便の初期消火に失敗したために牧場が血便だらけになってしまい非常に苦労した事があります。繁殖農場では子牛の血便が偽膜性腸炎というものになり、それはそれは治療で難儀したこともあります。どの獣医さんも必ずやこのような経験をしたことがあるのではないでしょうか。小生はこれらの経験からいつもどうしたら血便を効果的に予防できるだろうかとか、どうしたら血便が出たときに上手く対応できるだろうなど色々考えていました。結局答えはありきたりのものになっているのですが、ほんの少しでも参考になるかもしれないので次回から色々書いてみます。

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