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蓮沼浩のコラム
「第196話 「分娩前のBCS雑感 つづき」」

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2010年8月26日

 分娩前の管理でもう一つ注意することがあります。それは前回と違って痩せさせてしまうのではなく太りすぎにしてしまうことです。分娩が近づいたので増し飼いをしようと張り切って濃厚飼料を与えすぎて母牛をぶくぶく太らせてしまうことがあります。気が付いたらBCSは4.00を超えていた!なんてことがあります。やはりものには限度があります。ここで「デブ組」に入ってしまうと後が大変です。あくまでも増し飼いするといってもBCSで+0.50ぐらいの範囲でおさまるようにしましょう。そして出来れば濃厚飼料も大事ですが粗飼料の「量」と「質」を上げることで増し飼いが出来れば大きな間違いはないのではと思っています。和牛繁殖ではこの分娩前の3ヶ月をいかにして管理するかが非常に重要なポイントであると思います。乳牛の世界では昔から乾乳期には良い草をしっかりと食わせなさいといわれています。和牛繁殖の世界でも分娩前の時期をしっかりとBCSを見ながら管理出来れば相当その農家さんのレベルはあがるんじゃないかな〜、としみじみ思っています。
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