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第35話:抜歯 |
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2014年5月16日
先日、蓮沼獣医師の継続の牛を治療するため、ある肥育農家さん向かいました。
継続の内容は「打撲により歯が折れた牛。右上顎臼歯が抜けそうだったら抜いてみて。」とのこと。牛の歯を抜いたことは今まで無かったのですが、とりあえずペンチと絹糸を握りしめて農家さんに話を聞きに行きます。
農家さん:「食欲はあるんだけど、やはり口の中に違和感があるみたい。」
私:「歯が抜けそうだったら抜こうと思うんですが、何カ月齢くらいの子ですか?」
農家さん:「20カ月齢くらいです。」
私:「・・・分かりました。やってみましょう。」
思っていたより月齢の経った牛だったので上手くやれるか少々不安でしたが、農家さんと汗だくになりながら、なんとか牛を倒して抜歯作業に取り掛かりました。
問題の臼歯は歯肉とわずかに繋がっているのみで、絹糸で引っ張ればあっという間に取れました。

私:「なんだか歯槽膿漏みたい。」
農家さん:「デンター○ステマで磨いてやれば良かったかな。あははは。」
治療はひとまず終了で農家さんも私も一安心でしたが、今後の餌食いが落ちないか心配なところです。それにしても牛さんも珍しい場所を強打したものです。

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