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蓮沼浩のコラム
「第185話 「デブ組を分ける その3」」

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2010年6月10日

 前回は「仙骨靱帯」について家畜解剖学の視点から見てみました。今回はもう一つの靱帯である「尾骨靱帯」を紹介致しましょう。え〜と、この「尾骨靱帯」という靱帯名も家畜解剖学用語にはありません。正確に表現するとすれば「広仙結節靱帯の後縁であり、尾根と坐骨結節の間にある坐骨直腸窩の背外側の境界部位」とでもなりましょうか・・・・。恐ろしくわかりにくい表現なので左の写真を見て下さい。矢印のところがいわゆる「尾骨靱帯」と表現される部位です。お産の時にゆるむ靱帯でもあります。そしてこの部位と肛門の間のへこみを「坐骨直腸窩」というのですが、太っている牛さんはここの部位に脂肪が蓄積し、この「坐骨直腸窩」が脂肪で埋まってへこみが見えなくなってきます。すると当然「尾骨靱帯」も徐々に幅が太くなり最後は見えなくなってしまいます。さらに太ると坐骨結節の周囲に脂肪が盛り上がってきていわゆる「尾まくら」となります。当然「尾骨靱帯」や「坐骨直腸窩」など見えることはなく、生産牛としては太りすぎであります。気がついたらあまりにもつまらない内容になってしまったので次回はコーヒーブレイクを入れようと思います。
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