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蓮沼浩のコラム
「第175話 「原因不明の最高難度の鼻輪」」

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2010年3月18日

 ある農場で病気の牛さんを治療し終わり、農家さんと世間話をしているときでした。何気なく近くにいる牛さんを眺めると何か変です。あれ・・・あの牛なんかおかしくない??元気にしているのですが明らかに鼻の辺りがおかしいです。すぐさま農家さんとその牛さんを捕まえてよく調べてみると、鼻輪が異常な場所から飛び出ているではないですか!右の鼻の穴から口の中に突き抜けています。その農家さんに「まさか、鼻輪を鼻の穴に通すのではなく、鼻の穴と口に通すなんていう荒業はやっていないですよね〜(笑)」と確認するともちろんやっていないとのこと。そりゃ、やろうったってできるもんじゃ〜ない。刺さっているところからは出血や化膿などは一切なく、何事もないように突き抜けています。痛がってもいません。鼻輪をつかんで引くと、スルリと抜けました。抜いたあとは傷跡なども一切なく、どこを通っていたかもさっぱりわかりませんでした。鼻輪を止める木の部分が外れており、何かしらの拍子に貫通したと思うのですが、なんとも奇妙な状態となっていました。今まで何頭もの牛さんを見てきましたが、こんな状態になっている牛さんを見たのは初めてです。まあ、それがどうしたと言われればそうなんですが、思わずう〜〜〜んと唸る、何とも不思議な状態でした。
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